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シグマ建設株式会社

チヨダハウス

チヨダハウス
所在地 / 群馬県邑楽郡千代田町
建築設計 / シグマ建設
施工 / シグマ建設
写真 / 竹内吉彦

主要用途 / 住宅
構造・規模 / 木造2階建て

建築面積 / 66.24㎡
延床面積 / 106.40㎡
下屋が生む広がりと多様なスケール

「出来る限り外のようなおおらかな環境で暮らしたい」
そんな依頼からこのプロジェクトは始まった。
敷地は群馬県と埼玉県の県境にあたる群馬県千代田町。
周辺には郊外住宅や田畑が広がり、水平線が見渡せる長閑な地域である。
敷地は300㎡程度に区切られた町が整備した住宅地の西端にあたり、
建物前面には広大な畑が広がっている。
建て主は夫婦とお子さん、家族3人が思い思いの生活が出来る空間。
各部屋を扉で区切っていくのでは無く、家の中に奥行や距離感をつくりだす事で、
緩やかに繋がった生活環境がつくれないかと考えた。

1階はご家族の要望もあり主に外部から繋がる土間として設計した。
住宅の中にレイヤー状にいくつかのスペースが感じられる事で奥行が生まれるよう、
玄関・キッチン・浴室・一部リビングを下屋として、リビングやWICを含むメインボリュームの周囲に延びるように配置していった。
面積自体はコンパクトながらも、距離間や抜けによってこの家ならではの広さやスケール感が作れないかと考えた。

メインフロアは土間仕上げで床下が無い為、土間を囲う各スペース間の配線を繋ぐ機能として、『居場所=インフラルート』となる、 全体を繋ぐベンチ棚を計画した。
それらが水回りの床となり階段となっていく事で、中2階のステージへと繋がっていくよう場所を配置している。

2階諸室は水回りや玄関ボリュームの上に配置する事で、ステージ廻りの複数の階段越しに生まれる立体的な吹抜けが、多様なスケールを生み、回り込む光や通り抜ける風によって奥行や広がりが感じられる環境となった。

家族は刻一刻と変容する光や風、 その時々の家族の状況に応じて、
少しずつ居場所や互いの距離感を調整しながら暮らしていく。
そのような変化を受け入れながらも、 各々の居場所が見つけられる環境。
この家がそのようなおおらかさを持った場所となっていく事を願っている。