山頂のハナレ
埼玉県 ときがわ町 リノベーション
埼玉県 ときがわ町リノベーション
設計・施工:シグマ建設
(住宅 : 2021.1~2021.10)
所在地/埼玉県ときがわ町
家族構成/夫婦
主要用途/作業・休憩・宿泊スペース等
構造・規模/木造2階建て
埼玉県の山頂付近のミカン畑やご神木の有る自然豊かな敷地。
外壁を共有し3棟並ぶ母屋・旧母屋・作業倉庫がご両親が亡くなられた後空家となっていた。
今回ご夫婦が住み移る事となり、中央に建つ旧母屋の改修を相談される中で
1Fを作業倉庫の作業場の延長としての「農のハナレ」
2Fを母屋2Fの生活空間の延長としての「住のハナレ」として改修する事で住み継いでいく事を計画した。
広大な山林を抱えるご夫婦の暮らしは、季節を問わず敷地内の手入れや牧割り等屋外での作業に追われる。
そんな山の生活スタイルから、「農のハナレ」は土間+腰掛け高さの床によって、
作業スペースや休憩・ゲストとのコミュニティスペースとして計画した。
2Fはゲストを呼んだ際の宿泊スペースや、母屋2Fの寝室から往来可能なワークスペースやリラックススペースとする事で、作業倉庫・母屋それぞれの生活がハナレへ拡張し、より多様な生活の場となる事を目指した。
中央部のコア内には1Fは土足利用の水回り・2Fはベッドスペースを配置しつつ、
コア内を通り抜け可能な回遊性を持たせたプランニングとした。
眺望の有る開口際はL字に吹抜けを設け全体を緩やかに繋ぎつつ、光を透過する物見台を設け、
既存の梁は大入等古い家屋の痕跡を残しつつ白く塗装を施す事で家屋の記憶を継承している。
山頂に建つハナレが単に機能のみでなく、家族の住まい方や周辺環境との繋がり自体を拡張する事で
今後も世代を超えて住み継がれる環境になる事を願っている。